【化粧品成分検定1級】難易度や具体的な試験対策を公開【一度落ちた…】

「化粧品成分って聞いて興味があるんだけど、具体的にどんな試験?」 「日本化粧品検定よりも化粧品成分検定の方が難しいって聞いたんだけど、実際はどうなのかな?」 「試験対策は独学で可能なの?難易度とか試験対策とかは、どうすればいいのかな?」
 

 

そのような疑問に、1回落ちて、リベンジ受験した人が答えていきたいと思います。

この記事の内容

  1. 化粧品成分検定の概要は?
  2. 「化粧品成分検定」と「日本化粧品検定」の違いは?
  3. 化粧品成分検定1級の内容と、私の具体的な試験対策を公開

まずはじめに

◯2017/12/24
◯2018/06/24

2度に渡る、化粧品成分検定1級試験を受けてきました!

なぜ2回受けたのかというと、、、

一回落ちたからです苦笑

 

何ともアレ、

「化粧品成分検定1級」を2回受験(結果は2018/7月末)、そしてこの前「日本化粧品検定1級」は既に合格したので、化粧品成分検定の概要から、日本化粧品検定との違い、また化粧品成分検定の試験対策をつらつら書いていこうと思います。

化粧品成分検定とは?

化粧品成分検定は、2015年の6月から開催されたとても新しい試験で、CILA(一般社団法人化粧品成分検定協会)が主催しています。

CILAは、化粧品開発のコンサルタントとして活動、またCosmetic-info.jp(化粧品技術者向け情報提供サイト)という化粧品原料のデータベースサイト運営している、久光一誠さんが代表をしています。

どんな人が受験するの?

受験会場で見た感じで言いますと、日本化粧品検定は女性が8割ほどで20代〜30代程度の方が多いイメージだったのに対して、化粧品成分検定は30代〜40代くらいの方が多い印象で、男女比も女性7割:男性3割といった感じでした。

また日本化粧品検定は趣味でも受験しているイメージですが、化粧品成分検定はどちらかというと仕事で必要なんだろうなと思います。

試験を受けるとどうなるの?

ひと昔前、化粧品には「全成分表示」という、「全ての成分の表示が必須」というのがルールになりました。

ですが、全成分が表示されていても、私たちがそれを読んで理解しないと特に意味はありません。

化粧品成分検定は、化粧水や美容液といった私たちが普段購入している化粧品に記載されている全成分の情報や、パッケージに記載されている情報を読み解けるように導くことを目的とした検定試験です。

この試験を通して学習することで、自ら必要な目的にあった化粧品を正しく選択できるようになります。

少しだけ注意点

Photo by Element5 Digital on Unsplash

化粧品業界の会社に勤めているとわかるのですが、化粧品って、実際の内容よりも「魅せ方」にお金を使用していることがあります。

どういうことかといいますと、例えば、『高品質コラーゲン配合』と書いていて、「高いケド、ヨサソウやわあ!」と思っても、そのコラーゲンが、0000.1ml/100000Lの超微量でも「配合」と書けるのです。

つまり配合といっても、実際はどれだけ配合しているのかわからなかったりします。なので、成分表をみても全てがわかるわけではありません。

あとよくあるのは「パラベンフリー」の商品。「防腐剤が入っていないんだ。身体にヤサシそー」って思われた方も結構いると思います。

 

しかしそれもイメージ戦略となります。

 

「パラベンフリー」と「防腐剤フリー」とは意味が異なります。一度確認してみてください。「パラベンフリー」と書いていても、全成分を見ると「フェノキシエタノール」などの代わりとなる防腐剤は入っていませんか?

というかそもそも防腐剤が入っていないと、商品自体が腐りやすいという欠点があります。

また、「パラベン」は昔から使用されていて、とても安全性の高い防腐剤です。ただほとんどの人に肌に影響がなくても、4/10000人程度の割合で肌に合わないといったことはたしかに起こり得ます。

その4人にあなたが該当した際に、「私はパラベンが入った化粧品を使用した時に、肌トラブルが起こるみたいだから、成分表を見てパラベンが含まれていないことを確認してから買おう」といった判断ができるようになります。

もし「シリコン」=「髪に悪い」とか「パラベン」=「身体に悪い」とうの偏見やイメージを持っていたとしたら、化粧品成分検定を通して学ぶことで、広告戦略に惑わされることなく、自分でその化粧品の良し悪しを判断をすることができます。

化粧品成分検定試験の内容と試験対策

試験のレベルは、1級・2級・3級と3段階あります。

3級試験

3級はお試し的なものなので、いつでも無料で受験が可能です。
◯3級受験(無料)
http://www.seibunkentei.org/examination

2級試験

2級試験からは試験会場で受験となります。
成分・パッケージを読み解けることを目指します。

試験方法 マークシート
試験時間 70分
正答率 80%で合格
受験費用 6,000円(税別)
日時  年2回(6月頃・12月頃)

1級試験

1級試験では、最上位レベルとして、
人にアドバイスができるレベルの知識を目指します。

試験方法 ・マークシート
・記述
試験時間 90分
正答率 80%で合格
受験費用 10,000円(税別)
日時  年2回(6月頃・12月頃)

化粧品成分検定1級試験について、もう少し詳しく

私は2017年と2018年に2回、1級試験を受験したので、ここでは1級試験を中心に詳細を記載していこうと思います。

1級試験を検討されている方は是非参考にしてみてください。

問題構成は?

1級試験は、全部で70問です。

内訳は、
・マークシート(64問)
・記述(6問)

詳細は、
<前半:10問の5択問題が4題>
◯問01-10
◯問11-20
◯問21-30
◯問31-40

<後半:5択5問+記述1問の計6問が5題>
◯問41-46
◯問47-52
◯問53-58
◯問59-64
◯問65-70

の合計70問いった構成です。

試験時間は?

◯90分

60分経過したら途中退出できます。60分経過時点で過半数の人が退出するので、試験時間は比較的十分だと思います。

なので、じっくりと考えて解いても「時間配分ミスで解けなかった」という問題は少なそうなので、しっかりとよく考えて、少しでも正答率を高めることに集中した方が懸命だと思います。

化粧品成分検定の難易度や合格率は?

◯不明です。

合格率は日本化粧品検定とは違い公表されていません。
しかし日本化粧品検定が7割で合格で、受験者に対する合格率がおおよそ70%前後の合格率だったことを考えると、化粧品成分検定が8割で合格、また問題の取っ付き難さを考慮して、合格率は50%もないんじゃないかなと思います。

必要な勉強時間は?

化粧品の処方開発等に従事している方からすると基本的な内容が大半です。現に化粧品OEM会社の営業の方が受けていましたが、1ヶ月ほど勉強したけど結構カンタンだったとのことでした。

特に処方開発等に従事せず、今から化粧品成分に関して学んでいこうと考えている方は、普通に働きながらの試験勉強であれば、1ヶ月では足りないかもしれません。

1日1,2時間の勉強が可能な方で、2,3ヶ月は用意しておくことが好ましいかと思います。

私の場合は、一度目の試験の際は1ヶ月半前くらいから試験勉強に取り組み、結果惨敗しています。

2回目の受験では前回既に受験しているということもあり、再度1ヶ月半前くらいから勉強を開始していますが、結果はこれでも少し際どい感じの手応えだったので、やはり少なくとも2ヶ月、少し余裕をみて3ヶ月前から取り組み始めるといいんじゃないかなと思います。

必要なものは?

◯公式テキスト(必須)
◯受験する級の試験問題集(必須)
◯1級を受験する方は2級テキスト(推薦)
◯公式テキストが頭に入りにくい方は「化粧品成分表示のかんたん読み方手帳」(オススメ)

まず公式テキストは必須です。

また、公式問題集も必須です。ここから試験にそのまま出る問題がいくつもありますし、公式テキストの丸暗記では、「問題対策」ができません。

また、1級の方も2級の問題も試験には出てきますので、2級問題集もあった方が良いです。

問題集は公式ホームページのみから購入することができます。(CiLA化粧品成分検定協会http://www.seibunkentei.org/itemtext)

あとは、私は「化粧品成分表示のかんたん読み方手帳」を、2回目を受験する前にアマゾンで購入しました。試験費用が1万円と資格試験の中では高額なので、もう落ちるわけにはいかなかったからです笑

公式テキストが各成分ごとの解説なのですが、こちらは各カテゴリーごとの特徴を記載してあります。

なので、もし「公式テキストで頭に入りにくいなあ」と感じる方は、この「化粧品成分表示のかんたん読み方手帳」を併用して読めば、スッと頭に入ってくるようになります。

学習時に役に立つサイトは?

◯化粧品成分オンライン
https://cosmetic-ingredients.org/

問題を解いていて、結構な数
・「公式テキストにも載っていないんだけど」とか
・「公式テキストでも理解が不十分だなあ」

といった問題が、出てくることがあります。
そんな時はこちらのサイトにほとんどの化粧品成分の解説が載っています。

「なにこれ?エステル油?とれとも他の何かかな?」みたいな成分があれば、こちらのサイトでサクッと検索して一応理解していました。

公式テキストに載っていないので必須ではないのでしょうが、実際に公式テキストに載っていないような問題も多少出てきた(見落としていなければ)ので、一応詰めておいた方が良いと思います。

1級試験の例題

合計①〜⑨までの大きな設問があります。
①の大題はというと「成分表のない通常問題」です。
例えば以下のような問いです。

次の中でシャンプーに多用されるアニオン活性剤として最もふさわしいものを選べ。

①石けん素地

②カリ石けん素地

③ラウレス硫酸Na

④PEG-60水添ヒマシ油

⑤ベンザルコニウムクロリド

このような問題形式で、ここは比較的解きやすいと感じたので、
パーフェクトを目指したいところです。

次に、大問の②〜⑨にかけては全て、全成分表からの読み取り問題です。
例えば以下のような問いです。

 水  水性成分
 グリセリン  ①
 BG  保湿剤
 DPG  保湿剤
 ミネラルオイル  炭化水素
 トリエチルヘキサイノン   ②
 ホホバ種子油  ③ 
 ベヘニルアルコール  ④
 ステアリン酸グリセリル  非イオン界面活性剤
 ステアリン酸PEG-100  ⑤

 

上記の①-⑤にもっともふさわしい分類を次の中から選べ。

1.保湿剤

2.エステル油

3.高級アルコール

4.ロウ

5.非イオン界面活性剤

とか

これは、どのような化粧品の全成分表示例か。あてはまるもっともふさわしい化粧品の種類を次の中から選べ。

①洗顔フォーム

②シャンプー

③化粧水

④クリーム

⑤ヘアコンディショナー

というような感じです。

まず『全成分表』がドンッと載っていて、この成分表から読み取れる化粧品は何なのか。といった問いから細かく問いがあるといった具合です。

なので、まず全成分を見た際に、何の化粧品かどうかを見極めなければならない為、

  1. 『成分名』や『成分の分類』から、その成分が何の種別に入るのか?(水溶性成分なのか界面活性剤なのか)逆にその分類の成分はどれなのか。
  2. どのような効果のある成分なのか

などを理解していなければ、なりません。

化粧品成分検定1級試験の独学方法

一度試験には落ちてしまいましたが、逆に失敗を経験した人の対策も需要があるのでは?と自分に言い聞かせて書いていこうと思います。

試験問題対策

はじめて受験される方がどういう感じに勉強したら良さそうなのかを私なりに書いて見ます。

  • STEP.1
    試験60日前(できたら90日前)〜45日前
    公式テキストをざっくり読んで、概要を理解する。

    化粧品の処方開発に携わる方以外の方からすれば、横文字が多く、最初はスっと頭に入らないことも多いかもしれません。私は1ヶ月半前からの学習で一度落ちているので、2ヶ月前、余裕を見れば3ヶ月前から取り組むことができれば良いかと思います。

    最初は読み進めるのに時間がかかるので、概要を理解するつもりで3周くらいざっくりと読んで、なんとなく頭に入れるしかないかと思います。3周くらいすれば、おおよそ概要は掴めてくると思うので、私は最初、通勤時の約1時間程度を1ヶ月続け、おおよそ書いてあることを理解できるようにしました。

    また理解が難しいと感じる方は、化粧品成分表示のかんたん読み方手帳がお勧めです。公式テキストが少し辞書?みたいな構成なのに対して、読み方手帳初心者の方でも理解しやすいように簡略化して書かれているので、理解がしやすいです。

  • STEP.2
    試験45日前〜30日前
    問題集を解いてみる。

    教科書でおおよその内容を掴めたら、次に問題集に取り掛かります。

    私は問題集にはの左側に◯や×を書き込んで、×が多いものを中心に解決していきます。◯は3回連続正解ならもう解かなくて良いとしています。選択問題(5択)なので3回連続で正解したなら本番も大丈夫です。上に日付と確信が持てなかった問題数の数を書いています。確信を持って回答できた問題はもう解かなくて良いので、問題自体を消していきます。

  • STEP.3
    30日前〜試験当日
    問題をどんどん回転させて違えた問題を減らす作業。

    あとは繰り返しです。問題集を解いて、わからないところは教科書で見てその場で覚えましょう!また公式テキストに載っていない成分は、以下で紹介している化粧品成分オンラインで調べるとわかりやすいです。

    徐々にわからないところを無くすこと。

    それを繰り返すのみです。試験では、こんなんわかる人いる?というような問題も3,4問出てきたりしたので、少なくとも問題集は完璧にしておいた方が良いかと思います。(※テキストや問題集は、絶対どんどん書き込んだ方が良いです笑。試験受験料が1万円なので、私のように落ちたら勿体ないです笑。もし借りている方は、是非買ってどんどん汚してください笑)

以上がシンプルですが試験までのスケジュールです。とにかく覚えることが多いので、短期間で合格を目指される方は、一旦概要を理解したら、あとはとにかく数をこなしてどんどん回転させるのが良いかと思います。

  • 同じ問題に3回連続で正解したらもう問題を見ない
  • 解決に深追いしない。とにかく数をこなす

私は上記のルールを決めてとにかく、短時間で回すことを意識して取り組みました。

テクニックやコツは?

覚え方にもゴリゴリ暗記ばかりでは辛いものがあります。

化粧品の成分を判断するには、成分を何度も見ているとある程度、「あ、この名前はエステル油っぽい」とかの感覚が少し出てきます。感覚も頼れますが、ある程度コツがあります。

例えば、数字が入る界面活性剤はほぼ「ノニオン界面活性剤」といったコツで、判別する方法だけ覚えれば、無限にありそうな成分を1つ1つ覚えなくても合格は可能です。

高級脂肪酸 ◯◯酸で終わる
エステル油 ・◯◯グリセリル、
・◯◯酸セチル
・◯◯エチル
・◯◯プロピル、
・◯◯ノイン
アニオン界面活性剤 ・「石ケン」を含む
・◯◯酸NaKTEA
・◯◯タウリンNaKMg
◯は油性成分
カチオン界面活性剤 ・◯◯クロリド
・◯◯ブロミド
アンホ界面活性剤 ・◯◯アンホを含む
・◯◯ベタイン
・◯◯オキシド
ノニオン界面活性剤 ・ポリソルベートから始まる
・◯◯ポリグリセリル数字
・◯◯グリセリル、◯◯ソルビタン
・◯◯DEA、◯◯MEA
PEG数字を含む
・ソルベスを含む
ラウレス セテス / オレス / ステアレス / ベヘネス / トリデセス / ミレス / イソステアレス / コレスに「数字」が付く
紫外線散乱剤 ・酸化チタン
・酸化亜鉛

受験の感想と最後に

今回はというとまたもや結果が際どい回答率で、
合格の手応えはちょうど50:50といったところ。。

全部で70問中、ほぼ確信的な問題は51問ほどでした。
80%で合格なので、70問中56問以上の正答率で合格となります。

確信の持てなかった19問中5問以上の正解なら晴れて合格。
外れに外れた場合は持ち越しとなります。苦笑

全くわからなくても、5択なので、20%は正解しているとしても、
56問に届くかどうかと際どいところなので、
とりあえずヒヤヒヤしながら合格発表まで待とうと思います。

追記(合格しました!)

第7回化粧品成分検定に合格しました!

合格証明書がちっさなハガキなので、届いた瞬間は「あ..やっちまった…」感しかなかったのですが、開いたら合格通知でした。

上記の勉強方法にて合格できましたので、試験勉強の方法として、ひとそれぞれのやり方はあると思いますが、一応「間違い」ではなかったと証明できました。(よかった…)

1級試験を受ける上で必要なもの/お勧めなもの

最後に上記でお勧めした参考書のご紹介だけしておきます。

試験対策のテキストは、現在のところ他の対策テキスト等もないので、公式テキストと公式問題集を購入し、試験に挑むというのが一番王道の方法となります。

あとは、問題集も必須です。教科書に載っていない箇所もでます笑”問題集は公式サイトからの販売となります。

CiLA化粧品成分検定協会(問題集のページ)

また、独学で試験を受験される方にとって、教科書の内容は、予め成分の知識がないと頭に入ってきづらい、難しいと感じる方もいると思います。

そういった方には、以下の「化粧品成分表示のかんたん読み方手帳」も合わせて読むと頭に入りやすいと思います。

「化粧品成分検定公式テキスト」は、成分ごとの解説なので、辞書みたいな感じな読みにくさも感じることもありますが、「化粧品成分表示のかんたん読み方手帳」は、成分のカテゴリーごとの解説であったり、化粧品に関しての概要がかなり簡略化されているので、教科書とこちらを合わせて読むことで、というかこちらを先に一読することで、より理解が簡単に深まると思います。

また先ほど紹介したような、「◯◯ポリグリセリル数字」はノニオン界面活性剤といったような解き方のコツも載っているので、わかりやすくお勧めです。

まとめ

化粧品成分検定は、とても新しい資格です。

これ一つで、就職にめちゃめちゃ有利かどうかはわかりませんが、化粧品を取り扱う会社(メーカーや販売員等)にとっては、例えば『簿記2級』等の資格よりも、当然有利に働くと思います。

またプライベートにおいても、自身の肌に合う成分、合わない成分を多少なりとも見極められれば化粧品会社の上手?な広告に惑わされることなく、自分に合った化粧品を選択できる可能性は高まりますので、この資格をもっていて損はないと感じました。

試験の受験を検討されている方は、是非がんばってください!

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